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屋根断熱と天井断熱は併用できる?メリット・デメリットや費用比較も

天井の断熱

 

省エネ法の改正に伴い、住まいづくりにおいて断熱性を高めることは必要不可欠な要素となりました。日光による室温の上昇を防ぐためには、屋根や天井の断熱が有効ですが、それぞれどのようなものなのか、併用はできるのかといった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、屋根断熱と天井断熱の併用の可否や、それぞれの特徴、施工方法などについて解説していきます。

この記事を読むための時間:3分

屋根断熱と天井断熱は併用できる?

屋根と天井の両方を断熱すれば断熱性が高まると考える方もいるかもしれませんが、屋根断熱と天井断熱の併用はあまり効果がありません。両方に断熱材を敷き詰めれば確かに断熱性は高まるかもしれませんが、天井裏が密閉されるため換気が行われず、湿気や熱気がたまって結露の原因になります。断熱性を高めたいのであれば、併用するのではなくどちらかを選択して適切に断熱する方が効果的です。

屋根断熱の特徴

まず、屋根断熱のメリット・デメリット、施工方法をご紹介します。

メリット

屋根断熱のメリットは、まず空間を大きく使えることです。小屋裏のデッドスペースを活用して断熱を行うので、屋根裏部屋やロフト、高い天井などでも問題ありません。また、通気層がある屋根断熱には輻射熱(遠赤外線の熱線によって直接伝わる熱)の心配がほとんどないないため、二階の温度上昇を防げるというメリットもあります。

デメリット

屋根断熱のデメリットとしては、多くの断熱材が必要になることから費用がかさむこと、手間がかかるため工期が長期になることが挙げられます。また、小屋裏まで冷暖房をする必要がある点もデメリットと言えるでしょう。

施工方法

屋根断熱の施工には、以下の2つの方法があります。

 

  • 屋根下地材の隙間に断熱材を敷き詰める
  • 発泡性の断熱材を屋根の下面に吹き付ける

 

屋根断熱は、屋根が完成した段階で断熱材を敷き詰め(もしくは吹き付け)、その後に天井下地や天井、照明などを施工します。

天井断熱の特徴

次に天井断熱のメリット・デメリット、施工方法をご紹介します。

メリット

天井断熱のメリットは、コストが抑えられる点です。屋根断熱よりも工事面積が小さいため施工費が抑えられるだけでなく、空調する空間が屋根断熱よりも小さくなるので冷暖房が効きやすく光熱費も安くなります。

デメリット

天井断熱のデメリットは、まず小屋裏空間が活用できない点です。勾配天井やロフトといった小屋裏を活用した空間利用はできません。また、部材の多い天井に隙間なく断熱材を敷き詰めるには技術が必要な上、結露が起こらないよう換気ができる環境を整える必要があるため、豊富な知識と経験が必要です

施工方法

下地の段階で隙間なく断熱材を敷き詰め、その後に天井材を張ります。換気扇や照明などの設備類は最後に施工しますが、その際に断熱材がずれて隙間ができると断熱性能に影響が出るため、慎重に行う必要があります。

屋根断熱と天井断熱の比較

屋根断熱と天井断熱について、性能とコストの面から比較してみましょう。

性能比較

断熱性能については使用する断熱材の種類や厚みによって効果が変わるため、一概にどちらの方が断熱性能が高いとは言えません。断熱材にはグラスウールやロックウールなどの繊維系と、ウレタンフォームなどの発砲プラスチック系がありますが、一般的に発砲プラスチック系の方が断熱性は高いです。厚みに関してはどちらも厚くするほど断熱性能は高くなります。

 

断熱材の種類の相性としては、厚みが出しやすい天井断熱には繊維系が向いており、隙間なく施工できる発泡プラスチック系は屋根断熱と相性が良いとされています。

コスト比較

断熱にかかるコストは、使用する断熱材の種類や施工方法、厚さなどによって大きく異なります。基本的に施工面積が広くなるほど費用は高くなります

適切な断熱で住まいの快適性を高めよう

屋根断熱と天井断熱は、住まいの断熱性能に大きく影響します。現状断熱性の低い住宅でも、リフォームによって改善できるので、住まいの快適性を高めるためにも是非検討してみてはいかがでしょうか。

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